現在実施中の2025年度のプログラムを紹介します。

開催概要
未来の担い手である高校生たちが、「型にはまらない」発想を活かし、一人ひとりが感じる社会・ 環境課題に対して、様々な研究分野の視点から取り組んでいくプログラムです。研究経験の有無を問わず、それぞれのスタート地点から新たな問いを立て、6カ月間学術的な手法を用いて研究します。社会・環境課題に対峙し、「未来を変える」一歩を参加者、運営ともに踏み出していきます。
目的・狙い
昨今の複雑な社会や環境の課題を解決するには、1人の視点や1つの分野にとどまらず、「異分野融合」の視点で共に取り組むことが重要です。
IHRP2025では、探究心豊かな多様な高校生が問題を発見し、研究計画を立て、学術的手法を用いて研究に挑戦できる環境を提供します。さらには個々のテーマがどのように社会で実践・応用に役立てられるかを考察の視野に入れ、プログラム終了後も持続的に社会、環境、学術界、地域などに影響を与える力を身につけることを目指します。日本の先端研究室や企業と協力し、全国各地の意欲的な高校生が共に研究を行い、社会や環境の課題に取り組むことは、社会変革の重要な契機となると考えています。
テーマ
「見えないもの ~5年後にみたい世界~」
もしも未来を見ることができたなら。
誰しも一度はこんな空想にふけったことがあるのではないでしょうか。
しかし、想像する未来は自ずとやってくるものではなく、私たちが創造するものです。
未来を見据えて行動することが、思い描く世界を空想から現実にするための鍵かもしれません。
目に見えないほど小さいもの、遠いもの 、速いもの、技術の発展で見えるようになるかもしれないもの。言語、時間、価値観のように、目には見えないけれど、確かに存在するもの。未来を形づくる可能性、気づかないうちに見過ごしている課題、誰かの心の声、その他にもあなたにとって「見えない」もの。どれも今回の研究プログラムの対象です。
2025年、IHRPは5周年を迎え、SDGsの目標達成期限である2030年まで5年となりました。「見えないもの」と向き合うことで、あなたは5年後、どんな世界を「みたい」ですか?
コース制度
IHRP2025では、参加者の関心に応じて〈WHY〉〈HOW〉〈WHAT〉の3つのコースに分かれ、各コースの専属メンターによるワークショップを受講、メンターとの質疑や議論を通じて専門的な学びを深めます。さらに、他コースのワークショップも選択して受講することで、複眼的な視点を養い、異分野融合の探究を実践します。
WHY コース :「なぜ」既存の社会制度や文化は発達する (した)のか。文献、絵画、音声などさまざまな媒体の記録を手がかりに、人々の思想や社会構造の成り立ちを見える化を目指します。
(例:文化人類学、社会学、言語学など)
HOW コース:社会課題に対して、「どうすればよくなるのか?」を出発点に、調査・分析・アイデア創出を経て、具体的な提案として形にしていくことを目指します。現実社会が直面する問いに向き合い、実践知を養います。
(例:国際協力、教育制度、地域創生、経済学など)
WHAT コース:社会・環境課題の解決のために「なに」が必要か。自然の法則と人間の技術をかけ合わせ、資源循環やエネルギー利用の新しいかたちなどを模索します。
(例:地熱、土壌科学、土木工学、生物資源学など)
いずれのコースでも、「見えないもの」を多角的に捉えながら、
自分だけの研究・実践を通して「みたい未来」への道筋を描いていきます。

①インプット期 2025年8月〜10月
「見えないもの」をテーマとしたさまざまな分野の研究者や専門家の先生方と共にワークショップや研究室配属を通して学びを深めます。オンラインワークショップの他、大学の研究室に配属して、本格的な研究のために必要な知識や考え方を身に付けます。複数の学問分野の視点を身に付け、研究やプロジェクトの先行事例を学びながら自分の研究テーマを模索します。
昨年度の参加者からは、大学教授から直接本格的な研究手法を教えていただけるため研究の奥深さや面白さを体感でき、学校の授業とはまた違うワクワクを感じられたとの声が上がっています。
②キャンプ 2025年8月18日(月) 〜 21日(木)※
全国各地から集まったさまざまな関心を持つ参加者全員が、対面で集まります。これから切磋琢磨していく仲間と打ち解け、思う存分対話や議論に徹します。企業や研究者の方々をお招きし発展的な議論も行います。また各々の研究関心を共有し、希望がある場合は研究チームの結成・変更が可能です。IHRP全体で「楽しかった」「刺激になった」という声が一番多いコンテンツです。
※キャンプの日程は変更の可能性があります。
③アウトプット期 2025年11月 〜 3月・中間発表 12月中旬
10月頃を目安に個人/チームで研究プロポーザルを作成します。インプット期で学んだことを活かしながら、研究者の方々のアドバイスを適宜いただいて、自分の問いを学術的な研究やプロジェクトに落とし込みます。その後プロポーザルをもとに各々の方法で研究活動に取り組みます。研究室で実験を行う人もいれば、近所のお店や地域の方々とともにプロジェクトを行う人もいます。アウトプット期の中旬には、中間発表会にて、ご協力団体さまをお招きして研究の途中経過を報告します。お互いの発表に耳を傾け、IHRP内外の方々からフィードバックをいただくことで、研究を一層高めあう契機とします。
④成果発表 2026年3月
サステナブル・ブランド国際会議2025にて、研究成果を発表します。サスティナビリティに関心の高い企業やNPO/NGOが集まる会議での発表を最終目標とすることで、研究を社会にひらいていくことを目指します。
※2025年8月9日時点
※敬称略
協賛


株式会社I-ne(アイエヌイー)
株式会社ジー・サーチ
協力

SDGパートナーズ

サステナブル・ブランド ジャパン

福島国際研究教育機構
後援

Learning Tree International School

国際開発学会
※2025年7月27日時点
※敬称略、五十音順、括弧内は所属

鹿俣拓也(京都府立京都すばる高等学校)

小林誉明(横浜国立大学 国際社会科学研究院)

高井研(JAMSTEC)

千葉加恵子(国際教養大学 グローバル・コネクティビティ領域)

寺野摩弓(国際教養大学 グローバル・スタディズ領域)

豊田哲也(国際教養大学)

八郷真理愛(横浜国立大学大学院)

廣畑幹人(大阪大学 大学院工学研究科 地球総合工学専攻)

福谷陽(関東学院大学 理工学部)

藤井一至(福島国際研究教育機構)

三和裕美子(明治大学 商学部)
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森朋子(立教大学 環境学部開設準備室)

森永由紀(明治大学 商学部)